満月の輝く夜、都会の片隅のゴミ捨て場に猫が集まってきます。
彼らは無限の個性、行動力を秘めたジェリクルキャッツと呼ばれる猫。
今夜は年に1度のジェリクル舞踏会。
最も純粋なジェリクルキャッツが選ばれる特別な舞踏会。
猫たちは夜を徹して歌い踊り、自らのジェリクルを競います。
そして夜明け前、ナイフで切ってしまえそうな静寂を通して、
ただ1匹の最も純粋な猫の名が宣言されます。
天上に上り、新しいジェリクルの命を得ることを許される
その猫とは……。
CATSはノーベル賞作家のT.S.エリオット(1888~1965)の猫詩集『Old Possum's Book of Practical Cats』を元に、作曲家のアンドリュー・ロイド=ウェバーや演出家のトレバー・ナンらによってミュージカル化されました。
1981年5月11日に、ロンドンのウェストエンドで初演して以来、ニューヨークのブロードウエイを初め、世界各国で公演され、世界中で愛され続けているミュージカルです。
ただ、残念ながら、ウェストエンドは2002年5月11日に、ブロードウェイでは2000年9月10日に閉幕してしまいました。
ちなみに、ウェストエンドは約21年間のロングラン公演で連続上演回数は8950回、ブロードウェイは約18年間のロングラン公演で連続上演回数は7485回でした。
日本では1983年11月11日が初演。
それから現在に至るまで、各地で公演を重ね、2019年3月12日には通算公演回数が10000回に到達しました。
公演記録は以下の通りです。
東京(1) | キャッツ・シアター 西新宿 | 1983/11/11~1984/11/10 |
大阪(1) | キャッツ・シアター 西梅田コンテナヤード跡地 | 1985/03/20~1986/04/30 |
東京(2) | キャッツ・シアター 新宿駅南口 | 1986/10/10~1987/05/31 |
名古屋(1) | キャッツ・シアター 旧国鉄笹島貨物駅跡地 | 1988/11/23~1989/11/23 |
福岡(1) | キャッツ・シアター 福岡シーサイドももち | 1990/04/20~1990/11/19 |
札幌(1) | キャッツ・シアター 札幌駅旧構内 | 1991/05/21~1992/04/26 |
大阪(2) | キャッツ・ドーム in 大阪スタヂアム 難波 | 1992/07/18~1993/09/23 |
東京(3) | キャッツ・シアター 品川駅港南口 | 1995/01/04~1996/12/14 |
札幌(2) | JRキャッツ・シアター 札幌駅構内 | 1997/04/08~1998/03/08 |
福岡(2) | 福岡シティ劇場 キャナルシティ | 1998/07/01~1999/05/09 |
名古屋(2) | 新名古屋ミュージカル劇場 伏見 | 1999/07/20~2001/01/28 |
大阪(3) | 大阪MBS劇場 大阪ビジネスパーク | 2001/03/11~2003/01/13 |
静岡(1) | 静岡市民文化会館 静岡市 | 2003/04/29~2003/07/09 |
広島(1) | 広島郵便貯金ホール 広島市 | 2003/08/02~2003/11/24 |
仙台(1) | 宮城県民会館 仙台市 | 2003/12/19~2004/05/05 |
東京(4) | キャッツ・シアター 五反田/大崎 | 2004/11/11~2009/05/03 |
横浜 | キヤノン・キャッツ・シアター 横浜みなとみらい21 | 2009/11/11~2012/11/11 |
広島(2) | 上野学園ホール 広島市 | 2012/12/09~2013/03/24 |
仙台(2) | 東京エレクトロンホール宮城 仙台市 | 2013/04/23~2013/08/20 |
静岡(2) | 静岡市民文化会館 静岡市 | 2013/09/15~2013/12/01 |
福岡(3) | キャナルシティ劇場 キャナルシティ | 2014/04/20~2014/10/04 |
札幌(3) | 北海道四季劇場 札幌 | 2015/01/18~2016/03/21 |
大阪(4) | 大阪四季劇場 梅田 | 2016/07/16~2018/05/06 |
東京(5) | キャッツ・シアター 大井町 | 2018/08/11~2021/06/20 |
福岡(4) | キャナルシティ劇場 キャナルシティ | 2021/07/27~2022/04/17 |
名古屋(3) | 名古屋四季劇場 | 2022/07/18~ |
CATSは「Bookless Musical」と言って、起承転結のストーリーが無く、特に主役もいません。
台詞もほとんど無く、歌とダンスだけで進行して行きます。
一見、猫たちのサーカス(?)のようですが、作品には哲学的要素が含まれてます。
そのテーマは『救済』『再生』など、かなり奥が深いものです。
しかし、解釈は人それぞれ。
とても言葉で説明出来るようなものではないので、実際に劇場で感じて下さい。
どう感じるか、何を感じるか、きっと自分なりの解釈が生まれるはずです。
舞台上だけではなく、客席も含め、劇場内全部が楽しめます。
CATSほど、舞台と客席との境界が無い演目は珍しいのではないでしょうか。
ついついその場面でのメインの猫に目が行ってしまいますが、メインじゃ無くても、まわりの猫たちは色々な『遊び』をしています。これを観察してみると、なかなか面白いです。
この『遊び』は演じる役者さんによって違う上に、同じ役者さんでも日によって違ったりします。
気になりだすと、目が一組では足りなくなってきます。
CATSの舞台は「都会の片隅のゴミ置き場」なので、猫サイズ(実物の約3倍)に作られたゴミのセットが沢山あります。
その中には必ずその公演地域のゴミ、すなわち『御当地ゴミ』があります。
それを探してみるのも楽しみ方の1つです。
広島公演ではもみじまんじゅう、福屋(百貨店)の紙袋、広島カープの野球帽など、仙台公演では笹かまぼこや海鞘など、五反田/大崎公演では雷おこしやパスネット、人形焼きなどがありました。
『御当地ゴミ』の他にも、見たことのあるゴミがチラホラと……。
開演前や幕間、公演後に舞台や劇場内を探検してみては如何でしょう。