ボビー・チャイルド | 荒川務 |
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ポリー・ベーカー | 樋口麻美 |
ランク・ホーキンス | 牧野公昭 |
アイリーン・ロス | 森以鶴美 |
ベラ・ザングラー | 渋谷智也 |
エベレット・ベーカー | 松下武史 |
ボビーの母 | 斉藤昭子 |
テス | 有永美奈子 |
ユージーン・フォーダー | 三宅克典 |
パトリシア・フォーダー | 加藤聖恵 |
ムース | 石路 |
サム | 岩城雄太 |
ミンゴ | 畠山典之 |
ビリー | 石野喜一 |
パーキンス/カスタス | 熊谷崇 |
ジュニア | 川東優希 |
ピート | 中山大豪 |
ジミー | 和泉沢旭 |
ワイアット | 関与志雄 |
ハリー | 村中弘和 |
パッツィー | 池末絵己子 |
シーラ | 村上智 |
ミッツィー | 柴田桃子 |
スージー | 伊東恵 |
ルイーズ | 恒川愛 |
ベッツィー | 市川友貴 |
マギー | 小川飛鳥 |
ベラ | 中嶋美音 |
エレイン | 須田綾乃 |
舞台には、改装済みのガイエティ劇場(場面で言うと『Stiff Upper Lip』から『But Not For Me』まで)のセットが組まれてました。
と、そこへ……
「ごめんなさ~い!ちょっと良いかしら?」(@Stiff Upper Lip風)
聞き覚えのある声とともに、客席後方から加藤さんと三宅さんが走ってご登場。
「皆さんは、バックステージツアーに参加される方でよろしいですよね?」(@かなりユージーン口調)
客席の前に到着した三宅さんのこのセリフに、会場内は拍手~。
お2人から「ユージーン・克典・三宅・フォーダーです」「パトリシア・聖恵・加藤です」と自己紹介があったあと、舞台監督のカッキーこと柿木さんをみんなで呼んで、改装済みのガイエティ劇場の説明へ。
まずはセットの設定。
ボビーたちがミーティングをしているところはガイエティ劇場の客席で、エベレットが開ける幕より(本物の)客席側が、ガイエティ劇場の舞台だということです。
あの壁のセット、てっきり板に描かれたものだと思ってたら、なんと布に描かれているのだそうで!(驚愕)
アルミ(?)枠に布がピンと張ってあるのだそうです。
ただし扉部分は本物。
扉を開け閉めすると、まわりの布に力が加わって、布を押してしまうので、そうなら無いように、開け閉めの時は常にスタッフさんが、扉のウラから扉の枠を一生懸命支えているそうです。ご苦労様です!
それでも、布が揺れてしまうことがあるらしく、そんなときは後でスタッフさんにもダメ出しが出るとか。スタッフさんも大変です。
壁のセットはシャンデリアやその他の照明も含めて、全て上から吊るされているとのこと。
つまり、撤収は舞台袖では無く、舞台天井にするわけですね。
扉の他にもう1カ所、布に描かれた絵ではない部分が、ザングラーさんがミーティングの様子を覗くバルコニー。
「あの高い位置から、ザングラーさんはどうやって覗いているのでしょうか~」ってことで、ザングラーさんがバルコニーから覗いてる様子を壁のセットを上げて(セット無しで)見せて下さいました。
「どうも、どうも、どうも」
やぐらの上で葉巻(?)を吸う渋谷ザングラーさんご登場!
渋谷さんから「高い所からで恐縮ですが、この半年間『CFY』を応援下さりありがとうございました。(うろ覚え)」とご挨拶がありました。(笑)
ザングラーさんは木枠で出来た、簡易式のやぐらみたいなモノに登って、その上で演技するのだそうです。
渋谷さんは「中途半端に高くて怖い」と仰ってました。
また、「ミーティングの様子を見ていなければいけないのに、(本物の)客席を見てしまうこともある」とも仰ってました。
やぐらの下にはキャスターがついていて、スタッフさんが動かないように支えてました。
やぐらの上り下りには、普通にホームセンターで売られているような脚立を使用。
あくまでウラでの動作なので、音を立てないように上り下りしなくてはならないとのこと。
続いて椅子の説明。(ココからは渋谷さんも加わって、4人で進行)
椅子は外国からの取り寄せ。座面面積がそろうように四季スタッフが削ったり、多少の細工を施すことも。
積み上げ用の椅子は、積み上げ易いように、前後の脚裏に板が渡してありました。
4本の脚のままだと、4点で支えなくてはならないので、少しズレただけでグラつくけど、板を渡しておくと多少ズレていても支えられるわけです。
どの椅子をどこに積むとか全て決まっていて、いつも同じ場所に配置され、同じ役者さん(登場人物)が同じ場所に積み上げるのだそうです。
椅子には登場人物名と積み上げる位置がメモ書き(?)されてました。
「この椅子、ちょっと持ち上げてみたいヒト~」ってことで、参加者の中からお嬢ちゃんと男性の2人が参加。
椅子は意外と重く、特に積み上げ用の椅子は、同じ型の普通の椅子より少し重いとのこと。
ちょっと持ち上げてみるだけのつもりが、なぜかイロイロ体験させられたお2人。(笑)
持ち上げてみたあと、椅子の上に立たされてました。
足元を気にするお客さんを見て、三宅さん曰く「本番の舞台では足元を見ずに、前を向いたまま上ってステップを踏むんですよー」と。慣れないと怖いでしょうね。
そして、お2人は椅子を3つ使って、積み上げにも挑戦することに。(笑)
背もたれのある後ろ側から積むので、背もたれに引っ掛からないように、それなりに高く持ち上げなければならないので、結構大変そうでした。特にお嬢ちゃん。
積み上げる場所によっては、片手で持ち上げなくてはならない役もあるそうで、ふたたび三宅さん曰く「ピートは片手で1番上に積まなきゃイケないので、大変なんですよ」とのこと。
三宅さん、今はユージーンだけど、ピート役者さんでもありますものね。三宅さんのプチ苦労話!
最後に参加者のお2人は実際の曲に合わせて椅子を積み上げて、椅子の上でポーズ!
……で、突如始まった体験コーナー(?)はコレで終了。
お2人が席に戻る時、渋谷さんが「何か(この2人にあげるための)記念品は無いのー?」と仰ってましたが、結局何もありませんでした。(笑)
それから、もう1つ椅子にまつわるお話。
渋谷さんがバリケード化した椅子を片付ける時のザングラーさんのセリフについて、お話ししてくれました。
「フランス革命のミュージカル」は、やはり『レミゼ』で正解でした。
1992年ブロードウェイ初演当時、ロンドンミュージカルに押され気味だったブロードウェイミュージカルが、この演目で勢力を盛り返したそうです。
そんなこともあって、ロンドンミュージカルをちょっと皮肉ったセリフなのだそうです。
四季初演は日生劇場で、向かい(?)の帝劇ではちょうど『レミゼ』上演中だったので、わざと帝劇の方向を指差しながらこのセリフを言ったこともあったとか。(笑)
余談で「実は昔、『レミゼ』のオーディションを受けたことがあるんですが、落ちました。ナイショです」という渋谷さん個人の裏話(笑)も聞かせて下さいました。(何役のオーディションを受けられたのでしょう?)
BST前半の最後は、『But Not For Me』から『Nice Work If You Can Get It』への舞台転換を見学。
……と、その前に、柿木さんから転換の順序の説明がありました。
(1)ガイエティ劇場の幕(エベレットが開ける幕)を降ろす
(2)横と奥の壁のセットを舞台天井に上げる
(3)ザングラー劇場前の背景を下げる
(4)上手袖からザングラー劇場のセットを出す
(5)ガイエティ劇場の幕(エベレットが開ける幕)を舞台天井に上げる
これらがほぼ同時に行われるそうです。(や、もちろん、(1)と(5)を同時に行うことは無理ですよ?)
で、曲に合わせて明転(通常は暗転)で実演。
「ガイエティ劇場の幕を降ろしちゃうと舞台上の様子が見えないから」ということで、今回は同時ではなく、先にガイエティ劇場の幕を上げてからの実演でした。
また、分かり易いように舞台手前と奥の2回に分けて見せて下さいました。
ガイエティ劇場セットはサーッと舞台天井に上がって行き、上手袖からニュニュニュっとセリ出てくるようにザングラー劇場のセットが登場。
2回に分けてやっても、あっという間でした。
舞台転換に気を取られてるうちに、いつのまにか三宅さんと加藤さんの姿が見えなくなってました。
「あれれ?」と思ってたら、お2人とも上手奥から通行人カップルの役になって、何やら話しながらご登場。
「あなた、次は『contact』を観ましょう」(@うろ覚え)
……宣伝を兼ねた小芝居を打ってました。(笑)
そこで透かさず渋谷さんは「『壁抜け男』もよろしく」と抜かり無く。
渋谷さんは『壁抜け』にご出演なさいますからねぇ。(笑)
三宅さん、加藤さん、渋谷さん、役者さんからの説明&案内はココまで。
御三方とも、どうもありがとうございましたー。
フォーダー夫妻はコレから地図の作成に出掛けるとのこと。そして円山公園の桜を見るのだそうです。(じゃあ、絵描き(@壁抜け)の渋谷さんはスケッチかな?)
余談ですが、今回、名ツッコミ役名司会の関さんがいらっしゃらなかったのが、ちょっと意外でした。
その代わり(?)、渋谷さんがええ味出してました。(笑)
役者さんたちが退場すると、柿木さんの合図で、舞台はザングラー劇場前のセットから、デッドロックの大通りのセットに転換されました。
そしてBSTの後半は、いよいよ実際に舞台に上がって、袖や舞台上を見学!
参加人数が多かったので、何グループかに分かれて、順番に見学することになりました。
ちなみに私は1番最初のAグループでした。
ダラダラと書くのもなんなので、以下、メモ書きです。
他のグループが見学しているあいだ、客席では質問コーナーが同時進行。
客席から自由に質問すると、舞台監督の柿木さんが答えて下さいました。
(舞台見学後は自由解散でしたが、せっかくの機会なので居残ってお話を伺いました)
質問は順不同でうろ覚えで抜粋です。(覚えてる限り)
本物。
パンの担当者が毎公演ごとに準備する。
ちゃんとウィンナーが入っているが、実際にウィンナーまでは食べない。
噛んだり飲み込んだりするのに時間がかかって、演技の妨げになるため。
マスタードとケチャップは、役者の顔につくと困るから付けない。
ちなみに、酒瓶の中身は紅茶。
これも毎公演ごとに、お茶の担当者が「ジャック・ダニエル」の麦茶と一緒に準備する。
また、酒瓶とグラスも本物。
幸いなことに、今まで瓶を落として割ったボビーも、ザングラーさんも居ない。
実は、ボビーやザングラーさんよりも大変なのがミンゴ。
『Naughty Baby』でのアイリーンの「おどき!」で、椅子を持ち上げてガード(?)する時、ミンゴは酒瓶とグラス (グラスは無かったかも…) も持たなくてはならないため。
コツというより、「服をこういう風に置いておく」といったような工夫をしている。
着替えには補助係がつくことも。
とにかくスムースに着替えるためには、着替えの手順を覚えること。
ボビーは着替えが多く、基本的に舞台に出ているか、袖で着替えているかのどちらか。
床山と衣装さんはボビーに付きっきりなので、ポリーの着替えはアイリーンが手伝う。
してある。
真ん中に細かく点線で切れ目を入れ、何度か折り曲げてさらに破れ易くする。
パエリアパンがモデルではあるが、市販はされておらず特注。
かつては30公演ごととか、一定期間ごとに交換していたが、現在は、パエリアパン担当者が毎公演ごとに目視でチェックして、ダメになったものだけを交換している。
普通の板張りに、特殊加工というほどではないが、タップ音が響き易いように、何種類かの床用塗料を配合して塗っている。
違う割合の配合で何種類かのサンプルを作り、実際に役者に踏んでもらい、1番良いものを選んでもらって配合の割合を決定している。
ダンスはタップだけでは無いので、タップボードほど滑り易い状態にはしない。
銃は本物ではなくモデルガン。
弾丸が無くて薬莢のみなので空砲。
消防法により、火薬の使用量などは、京都劇場を管轄内とする消防署に申請。
ボビー役者は考えて飛ばして(投げて)いるので、滅多に落とさないが、落としたことはある。
下からみんな見上げて見てるので、下に居るメンバーが拾うなり対応する。
基本的に(ボビーとアイリーンの)真下にはジュニアが居るので、ジュニアが拾って、上に投げ上げたりする。
大量に作ってあり、毎公演準備する。素材はバルサ。
劇中に割って、ゴミとなった破片が舞台に残ると、その後の舞台進行の妨げになるので、役者たち(ジュニアとカスタス)にはかなり真剣(丁寧)に掃除してもらう。
こうしてお話を聞いてると、結構「消えもの」が多いです。
全てのグループの舞台見学が終了し、最後に柿木さんから「もう他に質問は無いですか?」と言われた時は、特に思いつかなかったのですが、帰宅してから、ずっと気になっていたことがあったのを思い出しました。(遅)
もっと早く思い出していれば、質問出来たのに……。謎が解決したのに……。(凹)
私の質問は「アイリーンが紋付の羽織を着てるのは何故?」です。
厳密にはアレは羽織ではないですけどね。(衿が違うよ)
たぶん留袖のリフォーム。それをガウン風に羽織ってるってトコですね。
それにしてもこの質問……、♪いつか分かる日が来るか♪(@オペラ座)
そんなわけで(どんなわけだ)、もう客席から質問が上がらなかったので、BSTはコレにて終了となりました。
柿木さん、スタッフさん、イロイロと丁寧に説明して下さり、ありがとうございましたー。
以上、お読み頂きありがとうございました。