クレイジー・フォー・ユー『バックステージツアー』
2010年9月8日(水) マチネ 京都劇場
※ 一部「アイタタタ…」なことになっています。予めご了承下さいませ。
《キャスト(敬称略)》
ボビー・チャイルド |
荒川務 |
ポリー・ベーカー |
木村花代 |
ランク・ホーキンス |
牧野公昭 |
アイリーン・ロス |
光川愛 |
ベラ・ザングラー |
志村要 |
エベレット・ベーカー |
石波義人 |
ボビーの母 |
斉藤昭子 |
テス |
高倉恵美 |
ユージーン・フォーダー |
村澤智弘 |
パトリシア・フォーダー |
黒崎綾 |
|
ムース |
荒木勝 |
サム |
岩城雄太 |
ミンゴ |
畠山典之 |
ビリー |
石野喜一 |
パーキンス/カスタス |
坂本剛 |
ジュニア |
大塚俊 |
ピート |
三宅克典 |
ジミー |
田中宣宗 |
ワイアット |
澤村明仁 |
ハリー |
西門宇翔 |
|
パッツィー |
鈴木真理子 |
シーラ |
高橋佳織 |
ミッツィー |
大石眞由 |
スージー |
徳江みさほ |
ルイーズ |
柴田厚子 |
ベッツィー |
市川友貴 |
マギー |
八鳥仁美 |
ベラ |
伊藤典子 |
エレイン |
小島光葉 |
まずは、舞台監督の木村謙介さんからご挨拶と京都劇場の舞台概要の説明。
- 間口が幅13m、高さ9m、奥行きが12m、舞台天井までは高さ16m。
『CFY』では使わないけど、奈落が4m。
- デッドロックは「1930年代アメリカのさびれた町」という設定なので、セットや小道具には汚しがかけてある。
中にはホントに古くて汚れてるものもある。(笑)
- 酒場のセットは、大きくて袖中に入りきらないので、中央(階段を上りきった部分)で二つに分割して収納する仕組み。
セット裏から見ると分割部分がよく分かる(らしい)。
- 京都劇場は袖中が狭いので、セットの一部(郵便局内部、『Finale』のセンター階段など)は袖中で吊り上げてある。
舞台概要の説明後は、いよいよ見学開始。
受付時に分けられたグループごとに、ローテーションしながら各見学エリアへ。
下手袖中・網元
いきなり余談ですが、ココに移動する途中に通った見学エリアに、サカゴーさんが女性スタッフさんといらっしゃって、サカゴーさんに「いらっしゃいませー。ようこそー。あとで来て下さいねー」と普通に言われて、すごいビックリした!
うわ、カスタスが普通にいたよ! この間までへっぽこファスナーくん(@はだかの王様)だったカスタスがいたよ!
……閑話休題。
網元とは、セットが吊ってあるバトンや幕を上げ下げするところ。
男性スタッフさんによる解説。
- 綱の数は60本ちょっと。(正確な数字は忘れちゃった)
- 全ての綱を使っているワケではなく、使用数は演目によってまちまち。
- 照明など、開幕前の舞台設営以来、ずっと上げっぱなしで動かさないものもある。
- 京都劇場は緞帳も含めて全て手動。基本的に1人でコントロール。
- 綱の足もとには、それぞれストッパーがある。
- それぞれの綱には吊り物とのバランスを取るために錘が付いている。(錘の数で吊り物の重さに合わせる)
- 1番重い吊り物は、『Finale』で使うアーチの枠で、重さは約460kg。
- 現状では最大で500kgまで耐えられる。
綱とワイヤーの強度を上げれば、それ以上の重さも耐えられるようになる。
ただし、あまり重くすると、錘を付けるスペースの関係で綱・ワイヤーが短くなり、バトンを上げ下げ出来る高さが制限されるようになることも……。
網元のそばには『Stiff Upper Lip』の積み上げられた椅子が置いてありましたが、ほとんど観察出来ず。
この椅子については、前回の京都公演のバックステージツアーで詳しく解説を聞いてるので、まぁ良っか。
下手袖中(舞監卓、女性楽屋、ロープ、ザングラー劇場衣装ハンガーラックなど)
先ほど通ったサカゴーさんがいたところ。
サカゴーさんと女性スタッフさんが「いらっしゃいませー」と再びお出迎え。
- 舞監卓(幕開きでハリー役者さん演じる舞台監督が使用)
書類が挟まれたバインダーが置いてあったので、何が書かれているのかと見てみたら、全文英語(印刷)で書かれていて、よく分かりませんでした。
分からないながらも、パラパラとめくってみると、大量の落書きが!
女性スタッフさん曰く、本番中に西門さんが描いてるとのこと。えええぇぇ。
(上手袖には、ポリーが郵便局の場面で本番中に落書きした書類があるらしいので、あとで要チェック!)
「西門くんには『見せちゃダメ!』って言われたんだけどね~」と言いつつ、他のラクガキも見せて下さる女性スタッフさんの指先には、カッパの落書きが……。
なんで……、なんでカッパなんですか西門さん……。(萌えのあまり硬直)
そして「舞台に西門くんがいるから、あとで『カッパ上手かったよ!』って言ってあげてね」と女性スタッフさん。
「見せちゃダメ!」と言われていたモノを、ご本人に「見ました!」と報告するのはマズいのでは……ってか、舞台に西門さんがいらっしゃるんですか?!(←)
- 女性楽屋(『Tonight's The Night』で使用)
鏡は覗いても姿は映らず。
普通の鏡だと照明が反射したりして、舞台進行に影響があるのかな。(せっかくなんだからスタッフさんに訊けよ)
置いてあったお化粧パフとかブラシは、ごく普通のものでした。
それから、『New Yorker』という雑誌も置いてありました。
中の記事はかなり小さな字でびっしり書かれてましたが、写真や広告らしきページも多く、1930年代当時の情報誌みたいなものでしょうか。
- ロープ(『Slap That Bass』で使用)
サカゴーさんによる解説。
お客さんの中から「ロープを切る仕掛けはどうなってるんですか?」と質問が出たので、実際に再現してみることに。
テス役にサカゴーさん、ボビー役とフォーリーズ役にお客さんからそれぞれ1人ずつ。
「実際の舞台でもテスはちゃんと軍手はめてるんですよー」と軍手をはめるサカゴーさん。
あぁ、そういや確かにテスは軍手はめてますね。
そんでサカゴーさんの「♪チャラリラリラ チャラリラリラ♪」という歌(笑)に合わせて、ロープを切断。
でも、結局お客さんは仕掛けが分からなかった模様。(苦笑)
お客さんの「磁石?」という言葉に、曖昧に笑って「まぁ、秘密ってことで」と誤摩化すサカゴーさん。
(前回の京都公演のバックステージツアーでは、スタッフさんは普通に「マジックテープです」と言ってましたけどね)
続いて、「このロープでベースになってみたい人~」ってことで、お客さんの1人が挑戦。
(そのお客さん、かなり小柄な方だったので、お連れさん(?)から「ベースじゃなくてビオラかバイオリンだね」とか言われてました)
女性はロープの真ん中を右足で踏んで、両端を頭上に持ってロープをピンと張り、男性は女性の右の脇下辺りに頭を付け、左腕で女性の左脇腹辺りを挟むように抱え込んで、そのまま抱え込んだ左腕で女性を回す(揺らす)とのこと。(左手はロープを持ち、右手はベースを弾くマネ)
そして「今は触りませんけど、ホントはこのあとお尻を触りまーす」と。一般客相手でさすがに自重?(笑)
それにしても、このお客さん、サカゴーさんに抱きかかえられたワケですよね……。なんか……すごい……。
- 衣装ハンガーラック(幕開きでエベレット役者さん演じるスタッフが使用)
前回の京都公演のオフステージトークで、荒川さんがネタコスプレで着ていた衣装を発見!
でもあの時、荒川さんは「自前です」って仰ってたんだけどなぁ?
自前ってのは眼帯のことだったのかな。
ちなみに、襟回りのフリルと袖が白く、身頃が赤と黒の菱形のチェック模様の衣装。
- サカゴーさんがダンスを始められたのは、25歳からだそうで。
歌もダンスも本格的に始めたのは、1999年に入団してからとのこと。
(現在おいくつなのか存じませんが、単純に25歳で入団なさったと考えれば35、6歳?)
「女性陣はすごいですよー。みんな3歳や4歳から始めてたりして。スーパーダンサーです」と仰ってました。
他にも『Girls Enter Nevada』でビリーが担いでる木箱や、同じく『Girls Enter Nevada』でボビーが上る階段状の荷物も置いてありましたが、あまり観察出来ないまま時間切れ。
ロビー(かつら、衣装など)
下手袖からロビーへの移動途中の通路にも、いろいろな小道具が置いてありました。
サムのギターケースとか、ポリーの郵便カバン、ニューヨークへ行こうとする時の旅行カバンとか。
もっとじっくり見たかったけど、あくまで移動途中の通路だし、途中で立ち止まることも出来ず、ちょっと残念。
ロビーでは、衣装スタッフさんと床山さんによる解説。
- 展示されていたかつらは、ピンクチュチュ(パッツィー、ベッツィー、スージー)、ポリー、フォーリーズ(テスとパッツィーだったかな?)のもの。
- ピンクチュチュのかつらは、ピンク色の部分が役によって濃さが違い、横1列に並んだ時、ピンク~紫のグラデーションになるようになっていて、1番ピンクなのが最下手のパッツィーで、1番紫なのが最上手のスージーとのこと。
パッツィーのかつらには1番、ベッツィーのかつらには5番、スージーのかつらには10番の札が貼ってありました。
ピンクチュチュは10人いるから、5番目のベッツィーのかつらは、ちょうど中間色ということに。分かり易いね。
- ポリーは地毛だと思われがちだけど、ポリーもかつらを使用。
女性は全員かつらを使用。男性で使用するのはボビーとザングラーさんのみ。
- かつらはネットに毛を編み込んで作ってあるとのこと。
- 小さな丸い帽子を取り出し、「さて、この帽子は誰のものでしょう~?」と女性スタッフさん。
お客さんの中から「パッツィー」という声がチラホラと上がったところで、後ろから「はい! パッツィーです!」と元気な声がしたので、振り向いてみれば、なんとパッツィー役の鈴木さんが! かわいい!
ってことで、ココからは鈴木さんも解説に加わりました。
ちなみに小さな丸い帽子は、パッツィーが『Girls Enter Nevada』でかぶっていたものでした。
- 女性の衣装は、当時の流行を反映して、腰回りがゆったりめ。
ピルエットしたら裾がかなり上まで上がって、大きくキレイに広がるように作られてました。
例として取り出されたのは、2幕でのスージーの衣装。(黄色をベースに緑のラインが入ったワンピース)
客席からは無地に見える生地も、近くで見たら織り柄が入ってました。なんて細かいこだわり!
- ピンクチュチュのスパンコールは、全て手で縫いつけているそうです。
- 『Slap That Bass』のフォーリーズの練習着は、胸元が大きく開いていて、丈が短いのが特徴。
例として取り出されたのは、パッツィーの練習着。(白の半袖に、紫に白の水玉模様のワンピース)
でもこの特徴、長ズボンなシーラやエレインの衣装には当てはまらないね。(苦笑)
- アイリーンが『Finale』で着ている赤い衣装は、バックスタイルがウエスタン調のデザインになっていて、「アイリーンがすっかり西部の人間になった」ってことを表しているんだそうです。
- アイリーンが銀の髪留めをしてるのは、ニューヨークの場面である『I Can't Be Bothered Now』と、直前までニューヨークへ帰るつもりだった『Naughty Baby』の場面のみ。
ニューヨークではお洒落に気を遣ってるってことらしいけど、逆に言えば、デッドロックではあまりお洒落に気を遣ってなかったってこと……?
- フォーリーズのメイクやマニキュアは、当時の流行を反映させているとのこと。
マニキュアはダークレッドっぽい色。
- お客さんから「胸が無いと悲しくなるような衣装が多いですが、パッド入れたり、胸メイクしてますか?」と質問が。
鈴木さん曰く、胸メイクはしてなくて、パッドも入れず、ひらすら寄せて上げてるとのこと。
- この際なので、私もずっと気になっていたことを質問してみました。
「2幕冒頭で、アイリーンが紋付のガウンを着てるのは何故?」
当時は既に「ジャパニーズ」というのが認識されてて、お洒落なアイリーンは、いち早くファッションに取り入れたってことだそうです。
そんでホントに着物生地(反物)で作ってあるとのこと。
ちなみに、『Finale』でボビー母が「もう外車は買わないよ!」と言ってる外車(リムジン)ってのも、日本車のことを言ってるのだそうで。
Σえええぇぇ、あのリムジン、日本車なの?!
当時の自動車事情はよく分かりませんが、日本が1930年代には既に自動車輸出してたとは……。
とにかく、ずっと気になっていたアイリーンの紋付のガウンのことが分かってスッキリ!
スタッフさんが、キャラとしてのピンクチュチュの正式名称(?)を仰ってたんですが、うっかり忘れてしまいました。orz
「ピンクドリームガールズ」だか「ピンクドリーミングガールズ」だか、そんな感じだったように思います。
客席上手ブロック
澤村さん、石野さん、舞台監督の木村さんによる質問コーナー。
質問コーナーでしたが、マイクに関する話と、本番中のケガの話で終わってしまいました。(笑)
- マイクに関する話(おもに澤村さんが説明)
マイクを付ける位置は、こめかみだったり、オデコの真ん中だったり、役やヒトによってイロイロ。
マイク本体もヒトによって付ける位置が違う。
澤村さんの場合は、マイクは左のこめかみ辺り、本体は腰のやや左辺り。
腰の本体から背中にコードを這わせ、首を通ってオデコやこめかみでマイクを留める。
コードやマイクを留めるテープは、汗で取れたら困るので、粘着力が結構しっかりしているらしい。
澤村さんは過去に、終演後全部はがして帰宅したつもりだったのに、入浴中にはがし忘れたテープが湯船をフワフワ~っと漂ってきたことがあったそうな。(笑)
マイクに汗は大敵。
汗が付いちゃうと、音を拾えなくなる。
本人が気付かないときは、他の役者がさり気なく教えたり、スタッフが1m四方くらいのデッカい紙にデッカい字で「汗」と書いて、その紙を舞台袖で掲げて知らせる。
汗が付いたマイクは、指で弾いて汗を飛ばせば、大抵元に戻る。
ただ、本番の舞台上であからさまに指で弾くワケにはいかないので、後ろを向いたり、物陰に入った時にさり気なく弾くようにする。
それでも治らなかったり、弾くタイミングが取れなかった時は、さり気なく肩を組むなどの演技をして他の人に近づき、その人のマイクを使う。
その際は、あくまで自然な演技で!
木村さん曰く、臨機応変に対処しなければならないので、センスが必要とのこと。
マイクが直ったら、今度は舞台袖ではデッカい字で「OK」と書かれたデッカい紙が掲げられるそうです。(笑)
- 本番中のケガの話(おもに石野さんの経験談)
石野さんは過去に、『I Got Rhythm』の途中で、気付かないうちにアキレス腱が切れていたことがあるそうです。
足を踏み込んだ時に「あれ? 何かおかしい」と思ったけど、舞台進行が止まるワケも無く、ツルハシは投げ渡されるわで、その時はとにかく根性でやりきったとのこと。すげえぇぇ。
さすがに幕間で病院に運ばれ、2幕の出演は無し。
石野さんが抜けた穴は、他のメンバーで役割分担して埋めたそうです。
ココでもやっぱり臨機応変の対処が必要。
木村さん曰く、基本的に、ねん挫とかケガをしても、キリが良いところまでは根性で乗り切るとのこと。えええぇぇ。
幸いなことに、今までにケガをして全く動けなくなるような事態にまで至ったことは無いそうです。
役者さんには、臨機応変に対処するセンスと、かなりの根性が必要……。頭が下がります。
舞台上(ランクの酒場のセット)
カウンター内に西門さんがーーーっ!!!
っちうわけで、この見学エリアでは、ずっと黙ったまんまで大騒ぎ状態。(←)
ものすごく余談ですが、西門さんが着てらしたTシャツが、五反田『猫』開幕前のアルプでの対談で着てらしたものと同じでした。すぐに気付いた私はビョーキだと思います。
(ちなみに、後日確認してみたら'04年7月号のアルプでした)
……閑話休題。
解説には西門さんの他に女性スタッフさん。
この見学エリアは自由見学&フリートーク状態でした。
- カウンターには色んな小道具が置いてありました。
- ホットドッグ(『What Causes That ?』で使用)
本番で使用済みのもので、かじった跡がありました。
「どうぞ、食べても良いですよ。僕(ハリー)が作ってます」と西門さん。
西門さんが作ってるのかと勘違いしたお客さんがいらっしゃって、「いやいや、僕(西門さん)じゃなくて……」と、おかしな会話になってました。何このズレた会話。(笑)
そして「(間接キスになるから)食べてみようにも、どっちがどっちを食べたか分からないと……」と別のお客さん。
このお客さん、どっちをご希望だったんでしょうか。(笑)
- 透明の酒瓶(『What Causes That ?』でボビーとザングラーさんが使用)
「中身は何? 本物のお酒?」というお客さんの質問に、笑って「お酒です」とトボケる西門さん。
西門さんは最後まで正解を話すこと無く、トボケてらっしゃいましたが、前回の京都公演のバックステージツアーの解説によると、中身は紅茶のはず……。
- 茶色の酒瓶(『Could You Use Me ?』の酒瓶キャッチで使用)
ボビーが取り損ねる瓶は、落ちても割れないようにテーピングがされてました。
話の展開で割れるべき瓶には、割れないように工夫をするという矛盾。(笑)
キャッチに成功する瓶は、特に工夫もされずそのまま。
ちなみに、それぞれの瓶のコルクは、取り損ねる方は奥まで詰め込んであって、成功する方はすぐに取れる(開けられる)ようになってました。
- 電報(『What Causes That ?』の翌朝の場面で使用)
英語と日本語、両方が書かれてました。(英語の下に日本語)
英文には日本語での「マル」にあたる「STOP」全てに下線が引いてありました。
日本語の方は、「……困る。マル」といった風に、読み上げられる一言一句がキチンと書かれてました。
- 爪ヤスリ(『Bidin' My Time』でハリーが使用)
西門さんのすぐそばに置いてあったので、「その爪ヤスリは、ハリーが登場時に使っているものですか?」と西門さんに話しかけてみました。(緊張のあまり噛みまくったのは言うまでもなく……)
西門さんは「そうです。アイリーンが2幕で使っているものとは、別のモノなんです」と、実際に爪ヤスリで左手の親指の爪をヤスリにかけるのを見せてくれながら答えて下さいました。
なんか……もう……、ただ1匹のジェリクルに選ばれたワケでもないのに、天上に昇りかけました。(←)
カウンターの後ろの棚に置いてあった、ハリーが趣味で彫ったと思われる木彫りについてもお聞きしたかったけど、もうそんな余力はありませんでした。(ハリーの趣味は木彫りという裏設定がある)
ましてや、「下手袖で落書き見ました! カッパ上手でした!」なんて、とても言えませんでした。
自分の小心さが情けない……。orz
- マガジンラックや電話の観察中に聞こえて来た西門さんとお客さんの会話。
内容にちょっとビックリして、思わず振り向いて聞き耳を立ててしまいました。
西門さんはTシャツの上にスタッフジャンパー(?)を羽織ってらしたんですが……
お客さん「中に着てるのは半袖ですか?」
西門さん「え、あ、はい。半袖ですけど……?」
お客さん「上着を脱いで下さい」
西門さん「えっ、なんで? (焦り)」
お客さん「腕が見たい」
西門さん「えぇっ! いやいやいや……。(苦笑いしながら拒否)」
結局、西門さんがスタッフジャンパーを脱ぐことはありませんでした。
- 鳩時計
女性スタッフさん曰く、ランクが世界一大切にしてる鳩時計だそうです。
その割にランクは自分で壊してますね。(笑)
鳩が「ポッポー」と出るのも、銃で撃たれて壊れるのも、裏からスタッフさんが動かしているとのこと。
「ポッポー」では棒で鳩を押し出し、壊す時は棒で突いて時計の前面の板を落とすそうです。
セリフや銃声でタイミングを合わせてるので、ハプニングで銃声が鳴らなかったりしてタイミングを外されると、裏で焦りまくりだとか。(笑)
で、実際に「ポッポー」と出るのと、壊れるのを再現。
今まで気にしたこと無かったけど、この鳩の色ってピンクだったんですね! 何故ピンク。
「飛び出す時にあちこちぶつけちゃって、ちょっと色がはげてます。これでもこの前、塗り直したんですけどね~」と女性スタッフさん。
満身創痍の鳩ですか。(笑)
ちなみに壊れたあとは、すぐにランクがドアを開けて舞台裏へ行くので、裏にいるスタッフさんは、観客の視界に入らないように、壊したら即行で逃げなきゃならないとのこと。
- オルガン
上部にパンチシートがセットされてることに、初めて気付きました。
ってことは、これはオルガンじゃなくて、オルゴールなのかも。(せっかくなんだからスタッフさんに訊けよ)
同伴した友人曰く、鍵盤は固定で、弾けなかったとのこと。
とにかく、この見学エリアではテンパッちゃって、チェックしたかったことをイロイロ失念しちゃいました。
フロントのカレンダーと、鍵棚をチェックしたかったのに、気付いた時には時間切れ。
かろうじて、ランクが割った看板のバルサは見れたけど、触ることは叶わず。
フロント付近が、ほぼノーチェックで終わってしまいました。orz
上手袖中(郵便局カウンター、リムジン、ザングラー劇場、トラックなど)
この見学エリアもほぼ自由見学&フリートーク状態でした。
解説は村澤さんと男性スタッフさん。
村澤さんはリムジンの屋根に座ってらしたんですが、服装がスタッフさんや他の役者さんのような稽古着じゃなかったので、一瞬、お客さんの1人かと思ってしまいました。
ゴメンなさい村澤さん。
- 最初に舞監の木村さんが仰っていたように、セットの一部(郵便局内部、『Finale』のセンター階段など)が天井から吊られてました。おおおぉぉ。
- 郵便局カウンター(『Slap That Bass』の冒頭で使用)
下手袖中の女性スタッフさん教えてもらったポリーの落書きをチェック!
「キモイ キモイ キモイ キモイ キモイ キモイ…… (リピート)」とか「ランクぶっ殺す!」とか「敬二さんお誕生日おめでとう」とか「福岡千秋楽」とか書かれてました。
「キモイ」のリピートはちょっと怖かったです。(苦笑) 一体何がキモイのか。(謎)
そしてさらに、落書きの中にはブタの絵が……。
何ですか、下手がカッパなら、上手はブタですか。(笑)
でも、とても可愛らしいブタの絵でした。
- リムジン(『I Can't Be Bothered Now』『Finale』で使用)
ラジコン制御ってことで、男性スタッフさんがコントローラー持ってました。
やや大きいけど、特別なものではなく、ホントに普通のラジコンのコントローラーと大して変わりなさそうでした。
「運転手の役者さんは、それらしくハンドル切ってるだけです」と男性スタッフさん。
ここで村澤さんから男性スタッフさんに「このリムジンの操作って難しいの?」と質問が。
なんで村澤さんが質問してんですか。(笑)
「え、いや、だからラジコン操作ですよ?」と男性スタッフさんが答えると、「でも、前にセットにぶつかりそうになったことあるじゃない?」と村澤さんからツッコミが。
「ぶつかりそうになって、運転手は意味無いのに必死でハンドル切ったりしてねー」と笑う村澤さん。
で、男性スタッフさん曰く、自分が向いてる方向とリムジンが向いてる方向が一致せず、カーブさせる時に混乱しそうになるので、そう言う意味では、操作は難しいかもしれないとのこと。
事前にかなり練習するそうです。
運転席はかなり狭く、ハンドルは完全に垂直に付いてました。
また、ただでさえ狭いのに、足もとにはラジコンのアンテナがありました。何でココなの。
左側のドア、すなわち『I Can't Be Bothered Now』では陰になる側のドアは、窓の部分と車体と同じ黒い部分とが別々に開くようになってました。
ピンクチュチュの「ハイ! ボビー!×10」の仕掛けに関係してそうです。
……が、この仕掛けについては秘密とのことでした。
内部の座席(?)部分は、座席というよりほぼ箱状態。
足もとの側面の一部が切り取られていて(20~30cm四方くらい)、中を隠すように黒い布が掛けられてました。
布をめくってみたけど、何のためにそうしてあるのかはサッパリ分からず。
たぶんモーターとかラジコンの動力部が入ってると思うんで、メンテナンスのための穴かな。
それからボンネット。
『Finale』で修理のために開けた時に出る煙はドライアイス。
バネや部品がビヨ~ンとなってる小道具と、ドライアイスの煙を溜めて入れておくのだそうです。
- ザングラー劇場
遠近感、奥行きを出すため、舞台手前が高く、舞台奥が低く作られていて、歪んでます。
特にボビーが上る窓の部分は、かなり遠近法を用いて作られていて、歪みが顕著。
ちなみに、裏側だったけど、カスタスの店も結構歪んでました。
劇場入口の脇に描かれている踊り子の絵、何故か顔立ちが『吉祥天女』や高松塚古墳の『西壁女子群像』を彷彿とさせる東洋風……。なんで?
- トラック(『Bidin' My Time』『Girls Enter Nevada』で使用)
リムジンと違って、役者さん本人が運転。
ブレーキは無く、ペダルから足を離すと止まるそうです。
(過去にテレビで放送されたミニ特集によると、ゴーカートと同じ仕組みとのこと)
運転席にはミシンのフットコントローラーみたいなペダルがありました。
時間切れでほとんど観察出来ず……。
村澤さんと男性スタッフさんが、「最後に涼んで行って~」とドライアイスを出してくれました。(笑)
足もとにサーッと流れて来て、ホントに涼しかった!
舞台裏(ランクの酒場のセット裏、カスタスの店)
これでぐるっと1周、最後の見学エリア。
解説はスタッフさんと荒木さん。
- ランクの酒場のセット裏
最初に舞台監督の木村さんからお聞きしていた通り、裏からだと留め具が見えて、セットを分割する部分がよく分かります。
とにかくこのセットは収納が命なようで、2階の客室ドアの舞台裏側の足場さえも折り畳み式で、つっかえ棒で支えてあるだけでした。
その足場には一応、角材で手すりが付いてましたが、ドアを開けて勢い良く入ったら(舞台裏に回ったら)、うっかり手すりの隙間から、あるいは手すりごと落ちてしまいそうなモノでした。怖ぇぇ。
さらに、足場に上り下りするための手すり付きのハシゴも、手すりがスライド収納出来るようになってました。
なんだこの収納名人なセット。
総重量約300kg(だったと思う)のこのセット、スタッフさんや役者さんが5人くらいで出し入れしてるそうです。
持ちやすいように、持ち手に角材が付けてあったり、ロープが結びつけてありました。
『CFY』のセットはほぼ全てが手動とのことでしたが、唯一電動なのが、この酒場セットのスイングドアがある部分。
酒場の場面では鈍角に開いているけど、デッドロックの大通りの場面では、鋭角に折り畳んであるとのこと。気付かなかった!(←)
この折り畳みの開閉だけが電動なのだそうです。
表から見てちょうど階段下部やフロントの鍵棚の下辺りに、動かすための機材が埋め込まれてました。
それから、ちょうど鳩時計の裏あたりに何やらメモが貼ってあったので、何かと思って見てみたら、鳩時計操作スタッフさんへの注意書きでした。
「時計を壊したら、すぐにランクが入って来るので、すぐに逃げろ(大意)」とか書いてありました。(笑)
このセット、そこかしこに隙間があって、裏から向こうが見えました。
表からは隙間なんか全然分からないのが不思議。
- カスタスの店
お肉2kgくらいというツルハシを持ち上げてみました。
重いと言えば重いけど、大きさを考えればそんなもんですかね。
( ※ お肉2kgというのは、前回の京都公演のオフステージトークで「ツルハシの重さは何kg?」というクイズがあり、答えは2kgだったんですが、その際に岩城さんが「お肉2kgくらい」と例えになってない例えを仰っていたことから。当時、心の中で「お肉だろうが何だろうが、2kgは2kgですよ!」と突っ込んだのは言うまでもなく)
タマゴはちゃんとLarge、Medium、Smallの3サイズが売られているようです。
でもデッドロックの住人は、タマゴのサイズなんか気にしそうにないですね。(笑)
(あ、しまった、サイズごとの値段をチェックするの忘れてた!)
給油機のそばの柱に、バイオリンが掛けられてました。これも売り物? ホントに何でも屋ですね。
その給油機のそばには、『I Got Rhythm』で使うノコギリを持った荒木さんが。
お客さんから「それは楽器なんですか?」と質問があり、「そうです。楽器です。ミュージカルソーという楽器です」と荒木さん。
楽器として作られたノコギリなので、刃がありませんでした。
で、荒木さんが横山ホットブラザーズの「♪お~ま~え~は~ア~ホ~か♪」をやってくれました!
なんというサービス! 関西人には嬉し過ぎる!(笑)
関西人なのに、このネタをご存知でないお客さんもいらっしゃったようですが……。マジっすか……。
以上でバックステージツアーは終了。
セットや小道具に見て触れて、スタッフさんからだけでなく、役者さんからも直接お話が聞けて、とても贅沢で楽しい時間でした。
でも、まだまだ見足りません。(笑)
またバックステージツアーに参加出来る機会があれば、是非参加したく思います。
あと、バックステージツアーとはちょっと違うけど、もっと裏設定のことを聞いてみたいなぁ……。
特に登場人物の裏設定には興味あり!
以上、お読み頂きありがとうございました。